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国立新美術館で開催【テート美術館展】鑑賞レポート

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こんにちは。かーる1世です。

六本木の国立新美術館で開催されている「テート美術館展」に行ってきました。イギリス政府が持っているコレクションの中から、「光」をテーマにした作品を集めた展覧会です。

鑑賞のレポートをしたいと思います。

2023年8月の観覧です。

目 次

テート美術館展

テート美術館ってあるのを知らなかったのですが、この展覧会につけられた「ターナー、印象派から現代へ」のサブタイトルに惹かれてしまいました。

サブタイトルにあるターナーは、19世紀初頭に活躍したイギリスの代表的な風景画家です。代表的な作品のひとつがこちらの「湖に沈む夕日」

何だか抽象的な画で、近現代に描かれたアートに見えなくもないです。光と色で自然を表現するターナーの手法が、後に現れるクロード・モネを始めとした印象派や現代のアーティストに影響を与えた(与えている)と言われています。

ターナー「影と闇-大洪水の夕べ」

ターナーにそれほど興味を持っていませんでしたが、出品されている作品の中に好きな画家のものがあることを知り、行きたくてうずうずしていました。

テート美術館展の概要

テート美術館展 光 は、東京展の終了後、場所を大阪に移して開催されます。それぞれの開催概要をまとめました。

東京展
会期 2023年7月12日(水)―10月2日(月)
会場 国立新美術館
開館時間 10:00―18:00 *曜日・特定日に延長あり
休館日 毎週火曜日

 

大阪展
会期 2023年10月26日(木)―2024年1月14日(日)
会場 大阪中之島美術館
開館時間 10:00―17:00
休館日 毎週月曜日*特定日に開館と休館あり

チケット料金(一般)は、東京が2,200円、大阪が1,900円です。事前予約が要らない展覧会ですが、窓口で当日券を買うより、公式サイトで購入したほうが並ばずに済むのでお勧めです。

チケットの種類など、詳細は公式サイトのリンクを張りましたのでご確認ください。

tate2023.exhn.jp

ところでテートってイギリスのどこにある?

テートはイギリスのどこにあるのだろう?と検索したら、テートは英国政府が所有する美術品を収蔵・管理している組織だということが分かりました。

テート・ギャラリー

テート (Tate) は、イギリス政府の持つイギリス美術コレクションや近現代美術コレクションを所蔵・管理する組織で、ロンドンなど各地にある国立の美術館を運営する。

2000年の改組以前はテート・ギャラリー (Tate Gallery) と呼ばれたが、それ以後はテート・ギャラリーと呼ばれることはなく、単にテート(Tate)という。出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』最終更新 2021年9月18日 (土) 17:44 

イギリス国内にテートの名を冠した4つの美術館があるそうです。

個人的な見どころ-ハマスホイ

個人的なお目当て作品は、ヴィルヘルム・ハマスホイ。19世紀から20世紀にかけて活動をしたデンマークの画家です。

この展覧会では2枚だけやってきました。右端と真ん中の作品です。

ハマスホイの作品はほとんど室内風景画で、中でもコペンハーゲンで暮らしていた、ストランゲーゼ30番地のアパートの室内画を数多く描いています。

こちらのタイトルは、「室内、床に映る陽光」。光をテーマにした展覧会ならハマスホイの作品があってしかるべきでしょう。

白と黒を基調にしたモノトーンに近い色使いが特徴で、特にグレーがかった白の色遣いが好きです。この室内を視点を変え、差し込む光を変えて、同じ部屋を繰り返し描いています。絵の静寂感も好きなところの一つです。

こちらの作品テーマは、室内。妻のイーダをモデルにしています。ハマスホイの作品に描かれる人物はたいてい後ろ姿か、顔が見えても表情が分からなかったりします。

2020年に東京都美術館で開かれた展覧会では、ハマスホイの作品が30点以上も展示されたはずで、行くことができなかったのはとても残念。確かコロナの拡大ですぐに閉展したのだったと思います。

ハマスホイの2作品と並んで展示されているのが、ウィリアム・ローゼンスタインの母と子。ハマスホイと同時代に活躍した画家で、この作品は色合いが似ていますが、微笑ましさが感じられます。窓から入る柔らかな光も良いです。

この3作品は室内の光を描いた作品なので、小さなスペース(通路?)に展示されていました。

もう一人気になる画家はホイッスラー。作品のタイトルに音楽用語を多用する画家で、一点だけの展示でした。

タイトルはペールオレンジと緑の黄昏-バルパライソ。ペールオレンジとは肌色を表わすのですが、今は使っちゃいけない語句でしょうか。

チリの港を塞ぐスペイン軍の艦隊と、英米仏の艦隊が撤退していく様子を描いています。現実の場面は蒸気船や大砲が備わった船のはずなのですが、描かれているのは帆船だらけ。

戦争の緊迫感がなく逆に平和な景色に見えるのは、黄昏れて行く穏やかな景色と帆船のせいかも知れません。

その他気になった作品

展覧会の序盤はターナーから始まり印象派のビッグネームが続きます。出だしから鑑賞者で渋滞気味の展開です。月曜日の真昼間なのにけっこうな人出でした。

正面からは撮れていないものが多いのですが、

ジョン・ブレット「ドーセットシャーの崖から見るイギリス海峡」。良い画と思ったのですが、陽のあたり方がどうなっているのか構図を考えさせられました。

モネの柔らかな明るさも良いです。「ポール=ヴィレのセーヌ川」

ピサロ「水先案内人がいる桟橋、ル・アーブル、朝、霞がかかった曇天」。やっぱり印象派の絵に目が行ってしまいます。

印象派の「光」の感じは、ハマスホイとは対極にあるような気がします。キラキラ感(写真の作品はキラキラしていませんが💦)とか明るさが気持ちを上げてくれます。

展示の後半からは現代アートの展示です。「光」のテーマそのままの作品群でしたが、ドイツの作家ゲルハルト・リヒターの1990年の抽象画が印象に残りました。

今年で91歳のリヒター。現代アートの巨匠と呼ばれているそうです(後で調べて知りました)。

オラファー・エリアン作の「星くずの素粒子」も印象に残った作品。会場の光を使ったインスタレーション(空間芸術作品)で展覧会の最後を締めていました。

まとめ

テート所有の美術品を展示する4つの国立美術館、建物も魅力的なものがあるようです。古い建造物を再利用して美術館に再生させた美術館は、建物そのものが芸術品でもあり行ってみたいです。

しかし、そもそもイギリスには行ったことがないので、旅行したとしてもこれらの美術館に足を向ける余裕はなさそうですが。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。