こんにちは。かーる1世です。
現代アートに興味はあまりない、というか分からないというのが正直なところ。知人からWHAT MUSEUMで開催されているART de チャチャチャ展の誘いを受けました。WHAT MUSEUMという美術館を知らないし、美術館がある天王洲アイル駅で降りたこともありません。展覧会じゃないほうにも興味があったので、行ってみることにしました。
旅行とは関係があまりない記事なので、ご興味のない方は飛ばしてくださいね。
もくじ
ART de チャチャチャ展とは
精神科医である高橋龍太郎氏がコレクションしている日本の現代アートの中から、33作家の40点を選んだ展覧会です。「日本現代アートのDNAを探る」というサブタイトルがつけられていました。
展示会場に入ると「現代アートと【いき】」というタイトルで、展覧会の趣旨が書かれていました。「いき」という文字にいろいろな漢字が当てはめることができますが、粋=日本の現代アートのDNAと解釈してよさそうです。
それにしてもメインタイトルのチャチャチャは何なのでしょうかね?「音楽のチャチャチャ?」「ブラタモリのチャチャチャ?」未だによく分かりません😲
コレクター高橋龍太郎氏
同行者の知人(キュレーターをやっています)によると、日本の現代アートのコレクターとして超有名な人だそうで、コレクションは数千点あるんじゃないかということでした。
ただ収集をするだけではなく、ドメスティックな日本の現代アートを世界に向けて発信する、という活動をされている方のようです。奈良美智や村上隆といった、今や国際的に名の知れた作家の初期作品や代表作品を所有しているそうです。
展示作品
作品は6か所のスペースに、それぞれテーマを設けて展示されていました。作家さんはとても有名な方から、まあまあ有名🙇な方までの作品が展示されているそうです。僕が知っていたのは横尾忠則さんだけでしたが。
お断り:撮影OKの作品のみ写真をアップしています
1階の展示室で目についたのは、大きな板に絵の具で描かれた獅子、
そして白象。
建築資材のコンパネを屏風のようにつなげて描いた作品です。大きさや重さに感心が向かってしまい、僕の意識が、作家の意図を知りたいという方向に向いてしまいました。「現代アート=よく分からん」という考えが強化されてしまった感じです。
残り5つの展示スペースが2階フロアにあります。
階段を上り目に飛び込んできた作品、インパクトありました。小谷元彦氏の「Air Gust」。残念ながら撮影禁止で、展覧会の公式サイトにも「NO IMAGE」となっています。
2階フロアには僕にも理解できて感心させられる作品がたくさん展示されていました。
面白いと思った作品群
松井えり菜氏「どーん!」。インパクトある顔が源氏物語にどーん。ご本人の顔だそうです。平安時代の人物が随所に描かれています。眉毛にぶら下がる人や、良く見ると鼻毛にぶら下がっている人も。
町田久美氏「郵便配達夫」。和紙に描かれた作品です。郵便配達夫とニワトリの組み合わせが面白い。ニワトリ型の一輪車なのかも知れません。線のタッチが印象に残った作品です。
小沢剛氏「岡本三太郎【醤油画(尾形光琳)】」。醤油で描かれているので匂いを嗅いでみました。無臭でした。
醤油は弘法大師により中国からもたらされ、画材にも優れているということがわかり、弘法大師あるいはその弟子から醤油画の歴史が始まった。:讃岐醤油画資料館
と言うのは真っ赤な嘘で、小沢氏が捏造したものです。讃岐醤油画資料館は香川県に実在しており館長がこの小沢氏です。
ちなみに美術展にある音声ガイド、最近は自分のスマホでナレーションを聴けるところがありますよね。機械を借りるとそれなりにお金がかかるので良い風潮だと思います。この展覧会の音声ガイドナレーションは柴咲コウさんで、半分くらいの作品に音声ガイドが付いています。スマホで聴けます。
指田菜穂子氏「対」。迫力のある高倉健と・・誰?スイマセン分かりません。背景にも二人組がたくさん描かれています。
お~知ってる!とか
これは〇〇だよね!とか、絵の前で言っちゃいそうです。
スターウォーズでおなじみのC-3POやR2-D2も相合傘。
昭和天皇と昭憲皇太后さまもいらっしゃいました。
横尾忠則氏「湯の町タンゴ」。美術家・イラストレーターとして既に大御所の方ですね。西洋画には水浴びをする裸婦の絵画がありますが、銭湯で入浴する裸婦は、横尾流の水浴図と言われているそうです。
山口藍氏「道すがら」。綿布や毛布で包まれたふとんキャンバスに江戸時代の文化や風俗を下敷きにした画を創作されている作家です。失礼ながらぱっと見、アイロン台だと思いました。
超絶技巧作品
超絶技巧のコーナーに展示されている作品には目を奪われるものがいくつかありました。細かな作品制作にはテクニックだけでなく忍耐力が必要ですね。
そんな中で特に目が釘付けになったのがこちら、熊澤未来子氏「浸食」。鉛筆で描かれた227.3×324.0cmの大きな作品です。
撮影した写真をもとにして、鉛筆だけで細密に描写していく作家さんです。郵便ポストに書かれた落書きやシール、
公衆電話やセール品のPOP、
ガチャピンもいますね。緻密な画にいったい何が描かれているのか隅々まで見入ってしまいました。
山口晃氏「何かを造ル圖」。幅が3.7mの横長の油彩です。右から左に見ていくようになっています。
何かを造っている図なのですが、
何を造っているのか分かりません。
発注者や親方と思われる人物は、仕上がりに不満のご様子です。
作者の山口晃氏は、成田空港第1ターミナルの南ウィングに作品が展示されているそうです。その名も「成田国際空港 南ウィング盛況の圖」と「成田国際空港 飛行機百珍圖」。多分、目にしたことがあるはずなのですが、成田空港に行ったらじっくり観ようと思います(成田空港公式サイトより)。
青山悟氏「夕暮れの新宿」。14×21cmの小さな作品ですが、刺繍で緻密に新宿を再現されていました。
須田悦弘氏「雑草」。ある展示作品が置かれた傍らの床に雑草が生えていました。変だなと思ったら少し離れた場所に作品名が。須田氏は木で植物を彫る有名な作家さんで、美術館の床や壁に彼の作品を時々見かけると同行者の談。
WHAT MUSEUMと天王洲アイル界隈
寺田倉庫という会社を耳にしたことのある方は多いのではないでしょうか。僕は会社の書類を預かってくれる倉庫の会社というイメージでしたが、データやワインなど、預かるものは幅広くあるようで、アートもそのうちの一つです。
その流れから寺田倉庫が2020年12月、東京・天王洲に現代アートのミュージアムとしてオープンさせたのが、WHAT MUSEUMです(請け売りです💦)。
最寄駅は東京モノレールの天王洲アイル駅。数えきれないほどモノレールには乗っていますが、天王洲アイルで降りたのは初めてでした。
駅の改札を出たら案内があるので、矢印に沿って向かいます。途中、迷わなければ5分もかからず到着できると思います。
美術館のある一帯は運河に囲まれた島のようですね。
建物の横には大きなタイル画が飾られていました。
美術館の正面にある通りはBOND STREETと名付けられていました。
通りを歩くとアートな休憩スペース発見。喫煙所ではありません。
建物には三味線を弾く女性の壁画。浮世絵をヒントに制作したアメリカ人女性アーティストの作品です。
「猫も杓子も」というタイトルが付いたオブジェ。
アートの街に変貌中なのですね。通りにはおしゃれなカフェも数店ありました。
同行者によると、こちらのインテリアショップは、ヨーロッパのビンテージものやこだわりのある家具があるのだそう。時間がなくて入れませんでしたが、そのうち覗いてみたい。
左の倉庫を利用したT.Y.HARBORは醸造所を併設したレストランだそうです。暑い日だったのでビール飲みたかった😢
この辺りも東京のおしゃれスポットの1つに加わってくるのでしょうか。
まとめ
有名な作家の作品や、どこかで見た作品を展覧会で鑑賞する、と言う理由で美術展に出かけることがほとんどでした。しかしこの展覧会で、自分の興味の外側にある作品を観て、案外いいじゃん!と思うことも多々あり、こんな機会も悪くないと思わされました。
撮ってきた写真を後から見て、その作家を調べるのも面白いことに気づきました。これもブログをやっている成果だなぁと思っています。現代アートは食わず嫌いだったことも嬉しい気付きでした。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。